「仲良くしようね」 私の肩を抱くオジサンの笑い声。 クリックすると大きな画像で表示します。
部屋から出て行く母親の背中を見つめながら、私は泣きたい気持ちを必死に堪えて目を閉じた――。
小さな頃から母の愛情はいつも兄に注がれていた。
出来の良かった兄、悪かった私、褒められる兄、叱られる私、それが日常だった。
父はそんな私を見かねて、よく散歩に連れ出してくれた。
肩車して、お菓子を買ってくれた。
優しくて大好きだった父。
でも父は突然居なくなった。
それ以来母は毎日のように父の悪口を私たちに聞かせ続けた。
「最低な人だった」「居なくなって正解」「親子3人で頑張ろう」「私たちは幸せなんだ」と。
そうでなければ許されないと、自分に、私たちに、呪いのように言い聞かせた。
やがて生活が困窮してくると母は「家族のため」だと言って、私に身体を売ることを求めて来た。
兄はどうするのだと聞くと、兄は良いのだと怒られた。
イヤだった、辛かった。
知らない大人に身体を舐めまわされて、これのどこが幸せなのだと、なぜ私だけと泣いた。
でも弱かった私には、此処しか居場所ないのだと、これが自分の役割なのだと受け入れるしかなかった。
「キミってさ、夢とかってないの?」 オジサンはそう言いながら私の体を撫でまわす。
願うことすら許されないなら、夢なんて見たくない。
家族の絆が無垢な心を追い詰めた。
哀れな少女の物語。
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